山で出会った動物たちとの抗争の記録です。
2005年6月現在、口げんかで済んでいるので今のところは4勝2敗ですが・・・。

たった6年の山歩きで3度もクマと接近遭遇。内2回は威嚇を受けています。たった6年で3回も遇うのは薮山なんかに行っているからだと思われがちですが、2回は登山道というより遊歩道に近いような場所でした。視界の利かない薮の中を歩いている時はクマが怖くてしかたないのですが、実は薮を掻き分ける音に向こうが先に気づいて避けてくれているようです。

3回の共通点は秋の午後、同行者あり(鈴音なし)。薮を掻き分ける音のしない場所。
冬眠に備えて採餌に夢中になると小さな会話程度では人が近づくことに気がつくのが遅れるようです。
まずは接近遭遇を避けるために大きな音のする鈴(安物は駄目)は有効と思われます。
一旦接近遭遇してしまったら相手を刺激するような動作や声は禁物です。
そっと、そっと、ひたすら静かに後ずさり、が原則ですがそこを通らないと下山できない場合はどうしましょう?


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クマ その1】 勝敗● (決まり手:掟破りの実力行使)
時  期 : 9月
時  間 : 2時か3時頃
天  候 : うす曇り
場  所 : 上州武尊山:東俣駐車場から600mの所にある東屋脇の整備された遊歩道
        遊歩道の周囲は明るく開けた疎林、下草はあまり高くない笹薮。
同行者 : 2名(疲れてしゃべらずに歩いていた。)
武  器 : あまり鳴らない鈴
状  況 :
遊歩道を歩いている時20mほど先の木の幹に登っているクマを発見!
目があった状態で互いに凍りついた。クマはこちらを睨んでいるものの動かないので双眼鏡を取り出そうとザックに手をかけた瞬間にスルっと木から下りて笹薮に消えた。
同行者と一緒に100mほど逃げてからこちらの位置を知らせようと大声を上げたところ、それに反応するかのようにヌッと姿を表わし牙を見せた。あとはもう背中を向けて夢中で走りに走って逃げた。
逃げおうせたから言うわけじゃないですが、逃げるが勝ちですな。
教  訓 : 大きな動作は攻撃のトリガーになる可能性がある。出遭ってしまってからの大声は逆に攻撃のトリガーになる可能性がある。背中を向けて走っても必ずしも襲われるとは限らない。

詳細記録はこちらです。



クマ その2】 勝敗○ (決まり手:罵詈雑言)
時  期 : 11月
時  間 : 2時頃
天  候 : 快晴
場  所 : 狭岩峡・象ケ滝間の長野・
群馬県
        人跡まれな山奥の開けた土の枯れ沢、両側の低い尾根には潅木が点在、視界良好。
同行者 : 2名(普通にしゃべっていた)
武  器 : 熊撃退スプレー(未使用)、鈴(以後着用)
状  況 :
視界が開けた土の枯れ沢を下っている時ににすぐそばで大きな唸り声!
地の底から響くような低い恐ろしいうなり声に対抗して二人で金切り声を上げて応戦。
5分以上も続いた口げんかは幸いこちらが勝った。すぐそばにいるはずなのにどうしても見えない相手に対する恐怖は計り知れなかったが、去っていくクマが少し離れた所まで行って「ガオッ」って大声で吼えたのが捨て台詞のようでおかしかった。
直前の2人の口数はそう多くなかったとは思うが、枯葉や折れた枝を蹴散らして歩く音にもっと早く気付いて欲しいなぁ。



クマ その3】 勝敗○ (決まり手:ナスノガルーダさんの髭面)
時  期 : 10月
時  間 : 3時頃
天  候 : 雨上がり直後の曇り
場  所 : 庚申山(林道と庚申山荘の間の遊歩道)
        整備された登山道の両側は下草の茂った林。
同行者 : 3名(普通にしゃべっていた)
武  器 : 記憶なし。
状  況 :
庚申山荘からの下山中、登山道から20mほど離れた岩壁の下を早くも逃げていくクマを発見。この場合先にクマがこちらの話し声に気づいた模様。でも3人が普通にしゃべっていたのだからもっと早く気づけよ!



クマ番外編】 勝敗○ (決まり手:ナスノガルーダさんの髭面)
時  期 : 11月
時  間 : 昼頃
天  候 : 曇り
場  所 : 笹ヶ峰付近(栃木・
群馬県境)
同行者 : 2名
武  器 : クマ撃退スプレー(未使用)、鈴(以後着用)
状  況 :
笹ヶ峰から丸沼へ身動きすらままならない蜜薮に悪戦苦闘しての下山中、5m四方ほどの開けた場所の雪の上に真新しい大きなクマの足跡とクマが落ちて氷が割れた水溜りを発見。足跡からはクマは下から登ってきてこの場で我々の気配に気づきあわてて去って行ったと思われた。いくらクマとてルートを選ばないと通過できないような密薮だったので、おのずと我々はクマが登ってきたトレースを逆に辿る形になった。つまり広い山中と言えど我々とクマのルートは一緒。
もし我々がひどい薮をバキバキと破る音にクマが気付かなかったら…。ああ、恐ろしい。



未知との遭遇 その1】 勝敗● (決まり手 貫禄負け)
時  期 : 4月
時  間 : 昼頃
天  候 : 快晴
場  所 : 三つ岩岳山頂(西上州)
同行者 : 単独
武  器 : 丸腰
状  況 :
山頂からこぶし大の石がコロコロと転げ落ち眼下の深い森に入ったとたんに怒った?大きな動物が森の中で動き出した。大声を上げて人間の存在を知らせているのにお構いなしにこちらに向かって登ってきたそいつは森の縁まで来るとそこを何十メートルも回りながらこちらを伺っている様子。
山頂の大岩の上で小石片手に勝ち目のない戦さの覚悟を決めたが、幸いしばらくうろついた後去って行ったが、あれは何?



エテ公 その1】 勝敗○ (決まり手 はったり)
時  期 : 8月
時  間 : 10時頃
天  候 : 快晴
場  所 : 横尾・涸沢間の登山道
同行者 : 単独+通りすがりの母子3人
武  器 : 丸腰
状  況 :
横尾から登山道へ入ると対岸からサルの叫び声が頻繁に聞こえていた。小さなお子さん2人を連れたお母さんからこの先にサルがいて怖いから一緒に通過して欲しいと頼まれる。
襲ってくることなどないだろうとあまり気にもせず近づくと離れザルが木をゆすって威嚇を始めた。
どうしようかとためらっているとサルは木から下りて登山道をこちらに向かってゆっくり、ほんとうにゆっくりと歩いてきた。悲鳴を上げる3人を私の陰に隠して一瞬睨み合うとサルは目を伏せながらもなおも足元向かって近づいてきた。50センチほどの所まで近寄られ、足をかまれる覚悟を決めた時サルがもう一度見上げて私の目を見た。ここで目をそらしたら上下関係ができて襲われると直感し
「てめぇ、ふざけんなよ〜」
と気を入れながら睨みつけるとサルはゆっくり下を向き、もう振り返ることもなく崖へ姿を消した。

きれいなお母さんからは大変感謝され、子供達は尊敬の眼差しで私を見ていた。
亭主の留守中に女子供だけになった牧場を無頼者から救ったクリントイーストウッドの気分になれた私はサルに感謝したい。


何もしていないサルの目を見てはいけないが、いったん因縁をつけられてしまったらひるんではいけない。最初の脅し(走り寄り、とびかかかる真似など)で上下関係を測っている。
(これ、ホントらしい)